簿記2級と3級の違い:範囲・試験時間・受験料・合格率と2027年度の出題範囲の変更
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先に結論
- 3級は商業簿記だけ、2級は商業簿記と工業簿記(原価計算を含む)です
- 試験時間は3級が60分・2級が90分。合格基準はどちらも70%以上です
- 受験料(税込)は3級が3,300円・2級が5,500円。ネット試験は施行機関によって事務手数料がかかります
- 3級に合格していなくても、2級を受けられます(日本商工会議所のQ&A)
- 2027年4月1日からの試験は、新しい出題区分表で出題されます。2026年度(2027年3月31日まで)の試験は今の表のままです
日商簿記の3級に合格した人、またはこれから受ける人が次に気になるのが2級です。2級は3級と何が違い、どれくらい範囲が広がるのか。
この記事では、日本商工会議所の案内で確かめた内容だけで、2級と3級の違いを並べました。2027年度の試験から出題の範囲を決める表(出題区分表)が変わるので、その点も書いています。
内容は 2026年10月29日に、日本商工会議所の検定試験のサイトで確かめたものです。申し込む前に、公式の案内と、申し込む商工会議所・テストセンターの案内で最新の内容を確かめてください。
2級と3級を並べる
| 項目 | 3級 | 2級 |
|---|---|---|
| 試験科目 | 商業簿記 | 商業簿記・工業簿記(原価計算を含む) |
| 題数 | 3題以内 | 5題以内 |
| 試験時間 | 60分 | 90分 |
| 合格基準 | 70%以上 | 70%以上 |
| 受験料(税込) | 3,300円 | 5,500円 |
| ネット試験の出題の形 | 選択式+入力式 3題以内 | 選択式+入力式 5題以内 |
| 受け方 | ネット試験・統一試験 | ネット試験・統一試験 |
(日本商工会議所の試験科目・ネット試験・受験料のページをもとに当サイトで表にしたもの)
ネット試験の事務手数料は、ネット試験のページに「550円(消費税込) 0円~ 受験するネット試験施行機関により異なります」と書かれています。金額は施行機関ごとに違うので、申し込む画面で合計の金額を確かめてください。
範囲の違い:2級は「工業簿記」が加わる
日本商工会議所は、2つの科目を次のように説明しています。
- 商業簿記:買う・売るなど、会社の外との取引を記録・計算する技能で、決算書を作って、経営者・取引先・出資者などに正しく報告するためのもの
- 工業簿記:会社の中で、部門ごと・製品ごとに、材料・燃料・人の力などをどれだけ使ったかを記録・計算する技能で、経営の管理に欠かせない知識
各級のレベルの説明は次のとおりです。
| 級 | 日本商工会議所の説明(要点) |
|---|---|
| 3級 | 基本的な商業簿記を身につけ、小規模の会社の活動や会計の実務をふまえて、経理の書類を正しく処理するレベル |
| 2級 | 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を身につけ、決算書の数字から経営の中身をつかむなど、会社の活動や会計の実務をふまえて正しく処理・分析するレベル |
細かい範囲は、日本商工会議所の「出題区分表」に級ごとに書かれています。この記事では、出題区分表の項目を1つずつ並べることはしていません。2級だけに出る項目は、日本商工会議所の出題区分表のページのPDFで、級ごとの印を見て確かめてください。
会社員にとっての違い(当サイトの整理)
- 3級は、どの業種・職種でも役に立つ基本の知識として、日本商工会議所が「必須の基本知識」と説明しています。
- 2級で加わる工業簿記は、ものを作る会社で、製品1つにどれだけ費用がかかったかを計算する技術です。製造業の経理・購買・生産管理の仕事や、取引先の原価の話を聞く仕事で使う場面があります。
- 2級の説明にある「決算書の数字から経営の中身をつかむ」は、営業や企画の仕事で取引先の決算書を読むときの土台になります。
3級を飛ばして2級から受けられるか
受けられます。日本商工会議所の「検定試験Q&A」では、商工会議所の検定試験は学歴・年齢・性別・国籍を問わず、たとえば3級に合格していなくても2級や1級を受験できるとされています(Q&Aは商工会議所の検定試験の全体についての説明です)。
ただし、2級の商業簿記は3級の商業簿記の上に積み上がる内容です。3級の範囲に不安がある人は、3級を先に受けると、自分の理解を点数で確かめられます(当サイトの整理)。
同じ日に3級と2級を両方受けられるかは、受け方と会場によって違います。日本商工会議所の試験科目のページでは、試験を始める時刻は会場によって違うとされています。たとえば京都商工会議所の2026年度の統一試験の案内では、試験を始める時刻が3級は11時、2級は13時30分に分かれていて、2つの級を受ける(併願)ときの手数料の説明もあります。受ける商工会議所やネット試験の施行機関の案内で確かめてください。
受験者データ:2級は合格率の数字が下がる
日本商工会議所の「簿記 受験者データ」に載っている数字です。
| 級 | 区分 | 回・期間 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3級 | 統一試験 | 第173回(2026年6月14日) | 14,359名 | 4,854名 | 33.8% |
| 3級 | 統一試験 | 第172回(2026年2月22日) | 17,140名 | 5,757名 | 33.6% |
| 3級 | ネット試験 | 2025年4月〜2026年3月 | 276,477名 | 112,797名 | 40.8% |
| 2級 | 統一試験 | 第173回(2026年6月14日) | 4,821名 | 728名 | 15.1% |
| 2級 | 統一試験 | 第172回(2026年2月22日) | 6,038名 | 911名 | 15.1% |
| 2級 | ネット試験 | 2025年4月〜2026年3月 | 141,072名 | 46,351名 | 32.9% |
(統一試験の受験者は実受験者の数)
- どの区分でも、2級の合格率は3級より低い数字です。
- 統一試験とネット試験では、受ける人の顔ぶれや回数の数え方が違います。この差だけで、どちらの受け方が受かりやすいかは判断できません(当サイトの見方)。合格基準はどちらも70%以上です。
2027年度から出題区分表が変わる
日本商工会議所は、2027年度の試験(2027年4月1日から2028年3月31日までに行う統一試験・団体試験・ネット試験)に使う出題区分表の確定版を、2026年7月31日に公表しました。
2026年度の試験(2027年3月31日まで)は、今の表(2022年度版)で出題されます。 2027年4月以降に受ける人は、新しい表に合った教材かを確かめてください。
2026年7月31日の確定版の説明書(改定項目等の説明書)には、次のような変更が書かれています。
| 変わること | 3級 | 2級 |
|---|---|---|
| 紙の手形・小切手 | 手形の規定を出題区分表から外す | 同じ |
| 2級から3級へ移る項目 | 定率法(決められた率を使う基本の計算だけ)、有形固定資産の除却・廃棄、売るたびに売上原価の勘定に振り替える方法 | ― |
| リース | 借りた物を資産に載せる処理は出さない(短期・少額のリースとして費用で処理する前提) | 短期のリース・少額のリースを賃貸借の処理で出す項目を足す |
| そのほか | ― | 売掛債権の譲渡(ファクタリング)の範囲をはっきりさせる、普通預金を足す |
確定版の前に、2025年12月25日に暫定版が出ていました。2027年度に受ける人は、出題区分表のページの確定版で、細かい項目を確かめてください。
受ける時期で何が変わるか(当サイトの整理)
| 受ける時期 | 出題の表 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 2027年3月31日まで | 2022年度版 | 統一試験の残りは2026年11月15日と2027年2月28日。ネット試験は休止期間に注意 |
| 2027年4月1日から | 2027年度版 | 2級から3級へ移る項目がある。教材が2027年度の表に合っているかを確かめる |
ネット試験の休止期間と統一試験の申込みは、簿記3級のネット試験と統一試験の違いにまとめています。2級の日程も、同じ日本商工会議所の「2026年度試験日程カレンダー」で確かめてください。
統一試験の日を目標にする人は、試験日から逆算する勉強の計画で、第174回・第175回の試験日までの残りの日数と使える時間を出せます。ネット試験で受ける人は、勉強時間から受ける日の目安を出す計算で、休止期間に当たらないかも見られます。どちらも結果は目安です。
講座を選ぶときは、料金と受講の期間を各社の公式ページで確かめてください。
まとめ
- 3級は商業簿記だけ、2級は商業簿記と工業簿記(原価計算を含む)
- 試験時間は3級60分・2級90分、合格基準はどちらも70%以上
- 受験料(税込)は3級3,300円・2級5,500円。3級に合格していなくても2級を受けられる
- 受験者データでは、2級の合格率は3級より低い数字
- 2027年4月1日からの試験は新しい出題区分表。2026年度の試験は今の表のまま
出典
- 日本商工会議所「簿記」(各級のレベルの説明)(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「簿記 試験科目・注意事項」(2級)(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「簿記 試験科目・注意事項」(3級)(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「日商簿記検定試験(2級・3級・簿記初級・原価計算初級)ネット試験について」(2026年4月1日更新)(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「2024年度からの『商工会議所検定試験』の受験料に関するお知らせ」(2023年11月17日)(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「簿記 受験者データ」(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「検定試験Q&A」(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「簿記 出題区分表」(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「2027年度適用の商工会議所簿記検定試験出題区分表等(確定版)について」(2026年7月31日)(2026年10月29日に確認)
- 日本商工会議所「紙媒体による手形・小切手の廃止および企業会計基準第34号『リースに関する会計基準』等の適用にともなう商工会議所簿記検定試験出題区分表などの改定について【確定版】」(2026年7月31日)(2026年10月29日に確認)
- 京都商工会議所「2026年度 日商簿記検定試験 実施要項」(PDF)(2026年10月29日に確認)
書いた人
合同会社HSコンサルティング
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